2016.01/30 [Sat]
1/30 石川県立音楽堂 アンサンブル金沢 第372回定期公演
オーケストラ・アンサンブル金沢 第372回定期公演マイスターシリーズ
マティアス・バーメルト 指揮
アレクサンダー・クリッヒェル ピアノ
ブリテン シンプル・シンフォニー 作品4(1967)
ショパン 「お手をどうぞ」の主題による変奏曲 作品2
ショパン 演奏会用ロンド「クラコヴィアク」作品14
メンデルスゾーン 交響曲 第5番 ニ長調「宗教改革」作品107
今シーズンのマイスターシリーズは「ショパンと友人たち」がテーマで、ショパンのピアノ+管弦楽作品とそれにまつわる時代・内容の作曲家の作品というプログラミングがされている。がそもそも、ピアノ協奏曲1・2番以外に何があるの?と思ってたが今日の2曲はなかなか楽しかった。
元々ショパンにせよリストにせよヴァイオリンのパガニーニにせよ「こんな風には他のヤツ(などという僕のような品のない言い方は当然しなかっただろうけど)は弾けないだろ!」と自分の技量を目一杯披露するために自分で曲を書いたんだろうけど、まさにそのまんまの曲。ショパンの美質と技量全開。モーツァルトのオペラのテーマをこれでもかと超絶技巧展開させた作品2。そのままピアノ協奏曲のフィナーレに使えそうな華やかかつこれまた超絶技巧全開の作品14。
ただバリバリ超絶技巧で弾きまくるのではショパンらしさが出ない。「ショパンはピアノの1.5m上で音が鳴ってるのが吉」というのが僕の一方的持論なんだけど、要するにどんな曲でもどこかしら必ず軽やかさが感じられるのがショパンの本質的な美質だと思う。そういう意味でも今日のソリストさんはホントによかった。バリバリ弾きまくり、しぐさを見ても(ひと変奏終わるたびに「ドヤ!」的アクションが若々しくて(オッサンくさい言い方w)よかったんだが、それ以上に出てくる音に何とも言えない軽みが備わっている。LFJで聴いたP.ジュジアーノさん以来に(個人的)理想のショパン弾き。
ただ。今回全体の演奏が、対照的にどこか重苦しかった。メトロノーム的なテンポどうこうじゃなく、音楽の推進力というかグルーヴ感というか、なんか足りなくてもっさりしてた。これは最初のブリテンの1楽章から最後のメンデルスゾーンのフィナーレまで全体に。
せっかくのショパンの軽やかさにオケが今一つかみ合わない。メンデルスゾーンもOEKには珍しくアンサンブルに粗が目立つ。指揮者の作る音楽の流れとオケの作る音楽の流れの微妙な齟齬が各パートのそこここ(ここのヴァイオリンセクションが乱れるなんてそんなにあるもんじゃない)に細かい瑕疵を生んでたように感じた。また、敬虔な宗教観に基づく交響曲といっても、これほど高揚感にかけるコーダ(あるいはそこへ向けての展開)はありえないんじゃないか、と。
ごく個人的結論。あまりこのオケと相性のいい指揮者さんじゃなかったかなぁ、残念ながら。
マティアス・バーメルト 指揮
アレクサンダー・クリッヒェル ピアノ
ブリテン シンプル・シンフォニー 作品4(1967)
ショパン 「お手をどうぞ」の主題による変奏曲 作品2
ショパン 演奏会用ロンド「クラコヴィアク」作品14
メンデルスゾーン 交響曲 第5番 ニ長調「宗教改革」作品107
今シーズンのマイスターシリーズは「ショパンと友人たち」がテーマで、ショパンのピアノ+管弦楽作品とそれにまつわる時代・内容の作曲家の作品というプログラミングがされている。がそもそも、ピアノ協奏曲1・2番以外に何があるの?と思ってたが今日の2曲はなかなか楽しかった。
元々ショパンにせよリストにせよヴァイオリンのパガニーニにせよ「こんな風には他のヤツ(などという僕のような品のない言い方は当然しなかっただろうけど)は弾けないだろ!」と自分の技量を目一杯披露するために自分で曲を書いたんだろうけど、まさにそのまんまの曲。ショパンの美質と技量全開。モーツァルトのオペラのテーマをこれでもかと超絶技巧展開させた作品2。そのままピアノ協奏曲のフィナーレに使えそうな華やかかつこれまた超絶技巧全開の作品14。
ただバリバリ超絶技巧で弾きまくるのではショパンらしさが出ない。「ショパンはピアノの1.5m上で音が鳴ってるのが吉」というのが僕の一方的持論なんだけど、要するにどんな曲でもどこかしら必ず軽やかさが感じられるのがショパンの本質的な美質だと思う。そういう意味でも今日のソリストさんはホントによかった。バリバリ弾きまくり、しぐさを見ても(ひと変奏終わるたびに「ドヤ!」的アクションが若々しくて(オッサンくさい言い方w)よかったんだが、それ以上に出てくる音に何とも言えない軽みが備わっている。LFJで聴いたP.ジュジアーノさん以来に(個人的)理想のショパン弾き。
ただ。今回全体の演奏が、対照的にどこか重苦しかった。メトロノーム的なテンポどうこうじゃなく、音楽の推進力というかグルーヴ感というか、なんか足りなくてもっさりしてた。これは最初のブリテンの1楽章から最後のメンデルスゾーンのフィナーレまで全体に。
せっかくのショパンの軽やかさにオケが今一つかみ合わない。メンデルスゾーンもOEKには珍しくアンサンブルに粗が目立つ。指揮者の作る音楽の流れとオケの作る音楽の流れの微妙な齟齬が各パートのそこここ(ここのヴァイオリンセクションが乱れるなんてそんなにあるもんじゃない)に細かい瑕疵を生んでたように感じた。また、敬虔な宗教観に基づく交響曲といっても、これほど高揚感にかけるコーダ(あるいはそこへ向けての展開)はありえないんじゃないか、と。
ごく個人的結論。あまりこのオケと相性のいい指揮者さんじゃなかったかなぁ、残念ながら。
スポンサーサイト
Comment
Comment_form