極私的富山サンダーバーズ(他あれこれ)偏愛日記

私設応援団メンバーによる富山サンダーバーズファンブログ。他個人的な趣味の世界あり。

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12/10・11 石川県立音楽堂 アンサンブル金沢 第370回定期公演

オーケストラ・アンサンブル金沢 第370回定期公演 フィルハーモニーシリーズ

 指揮:マルク・ミンコフスキ

 「シューマン全交響曲を聴く」
 第1夜
  交響曲第1番 変ロ長調「春」作品38
  交響曲第2番 ハ長調 作品61
 第2夜
  交響曲第3番 変ホ長調「ライン」作品97
  交響曲第4番 ニ短調 作品120

 「あの」マルク・ミンコフスキがOEKの首席客演指揮者に就任し、そのお披露目定期の演目が2夜連続でのシューマンの4つの交響曲ツィクルスという、問答無用の2015-16シーズン最大の目玉公演。残念ながら客席には空席があった(正直あるとは思ってなかった)が、土日開催だったら確実にフルハウスだっただろう。今回金沢でしかやらないので、東京から新幹線で来てもおかしくない内容。平日開催で泣く泣くあきらめたファンもいたのでは?

 いい演奏・感動する演奏・「こりゃスゲーわ!」な演奏ってどういう基準で決まるのだろう?もちろん「感動」の感覚は各人各様で、極めてパーソナルなものであるわけだけど。オケ・指揮者・ホール・演目等、いろんな要素が前提としてあって、その上で自分としてはいい意味で「裏切られた!」演奏をそう評してる気がする。

 1番の冒頭を聴いたとき「あれ、思ってたよりオーソドックスな」と。シューマンを最近の演奏スタイル、響きを薄めにしてパートの分離をクッキリ出したエッヂの効いた感じを想像してたらいたって普通にシンフォニックな響きがしたので幾分拍子抜け。でも実はミンコフスキさんの仕掛けはそこじゃなかった、と曲が進むにつれ見えてくる。響きは薄くせずでも濁らせず、ダイナミクスの振幅を大きく取り(だから抑える指示がむしろ多かった)テンポの出し入れをあざとさギリギリまで強調して音楽を動かす。時として「あおりすぎ?」と感じるくらい早めのテンポを出したりする。1番は、でもまだ十分にそんな解釈が咀嚼しきれていないと感じた。愉しくはあったけど。
 それが見事に形作られてたのが2番。学生オケにでもやらせたら完全に破たんするだろうくらいのテンポをものともせずくっきりと刻まれていく見事な音楽。3楽章のアダージョの荘厳な響きは後のブルックナーを想起させるような分厚くでも透明な響き。フィナーレ聴きながら「このくらいに自分の曲演奏されたらシューマン先生もさぞかし満足だろう」などと思った。後のロマン派交響曲に比べたら時間的にも内容的にもコンパクトなイメージをシューマンに対して持ってたけど、これまで聴いてきた演奏・CDがそうだっただけだった。みっしりと詰まった、圧倒的な音楽。この2番を超える演奏に接するのは、たぶんなかなかないだろう。

 前夜の余韻で期待して臨んだ3番。これもいろいろ仕掛けはしていたようだが、正直想定を超えるものではなかった気がする。1番同様美しく愉しくはあったけど、前夜の2番ほどの充実度はなかった気がした。
 そんな一抹の不安をあっさりとふっとばしてくれたのが、おそらく今回の公演至高の出来だった4番。始まった時から「あ、これはここまでとは出来が違うぞ」と。全曲ほぼ切れ目なしで緊張感を持続させて、緊迫感のある1楽章から揺れるような美しい2楽章(オーボエとチェロのユニゾンがここまでハマった演奏は初めて聴いた)、3楽章はOEK弦セクションの運動能力の高さをこれでもかと見せつけた見事なスケルツォから、2番の3楽章同様まるでブルックナーのような震えるくらいの荘厳な響きからアタッカで熱狂の4楽章へ。これでもかとみっちり展開を経たあとたどり着いたコーダではもう半泣きだった。OEKの定期でごくたまに思うことがあるが、CDにしてくれ。ブルーレイならさらに良し。買う。必ず買う。

 ここからは雑感。

 「首席客演指揮者」ってどの位「首席」なんだろう?ミンコフスキさん、毎シーズン1回は必ず来金される?で、来シーズンは何やります?←気が早い。

 今回の配置ではコントラバスをひな壇最奥最上段に配置。これが厚い響きに効果的だった。首席のマルガリータさんが一人で弾く箇所がかなり多かったので、そのあたりで響きをコントロールしていたようだけど。それでも、あれだけの厚みの響きでも透明度は落ちない、さすがOEKのアンサンブル。

 改めて、2番って難しい曲だったんだなぁ、と。もちろんそれなりに劇的ではあるんだけど(まして今回のような最上級の演奏に接するとイメージ変わるけど)、基本プログラムとしていまいち派手さに欠けるわりにアンサンブルの難所がそこここに点在する曲。1番・3番ってまだプログラムで見かけることもあるけど。なんにせよ、国内外のオケは、当分金沢客演の際シューマンを演目にかけるのは避けたほうがいいだろう。今回で金沢の聴衆のシューマン耳?のハードルが数段上がったのは確実だから。



 

 
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プロ野球独立リーグ・富山サンダーバーズ私設応援団トランペット吹き。クラシック音楽・コミック好きのライトヲタ。

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