極私的富山サンダーバーズ(他あれこれ)偏愛日記

私設応援団メンバーによる富山サンダーバーズファンブログ。他個人的な趣味の世界あり。

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10/28 オーバードホール プラハ国立歌劇場公演

プラハ国立歌劇場公演

 ヴェルディ:歌劇「椿姫」 全3幕

 ヴェルディの代表作といえる、超定番作品。自分は初めて生で観たが(DVDでは観てたが)オーバードホールでは既に数回かかったことがあるのだろう。そうでなければ今日のあまりの不入りは信じがたい。秋のオーバードホールのオペラはこれで5回目だが、今回が飛びぬけてお客が少なかった。以前同じプラハ国立歌劇場公演で「アイーダ」観たときはほぼ満席だったし、ここはやはりアーティストよりも演目だろう。無論作品自体になんら責任があるわけはないんだが。

 主役・ヴィオレッタのソプラノさん、相手役・アルフレードのテノールさん、敵役?というかアルフレードの父親役のバリトンさん、この3人がメインキャストだが、名前を知ってるほどに自分はオペラに精通していないが、それぞれさすがの歌唱。第1幕のアルフレードがちょっと弱いのかな?と思ったが、第2幕ヴィオレッタをモノにした(こういう言い回しに育ちが出るwww)後の自信満々の歌唱は見事だったから演技だったのだろう(気後れしてる若者設定だし)。ヴェルディのメイン脇役バリトンは毎度いい役回りの歌があって、今日もゾクゾクするくらいの味わい・深みのあるアリアを堪能。そして何より主役のソプラノ。全幕ほぼ出ずっぱり歌いっぱなし、第一幕から全開の快演、最終場の絶唱は、筋を知ってるやさぐれたオッサンでもちょっとウルっとくるぐらい。素晴らしかった。
 そして見事だったのが合唱。オケ+合唱のサウンドというのはとにかく最強(自社比)なんだが、今日の合唱のアンサンブルは絶品だった。貴族たちの放埓・乱脈な夜会パーティがどんどん主人公を精神的に追い込んでいくわけだが、そのシーンを象徴する第二幕の狂騒を演出するモブの合唱シーンが圧巻。もちろん第一幕の有名な「乾杯の歌」の合唱シーンもよかったが。

 さて、ここからは手前勝手なあらすじネタばらし的雑感(あらすじは自己解釈なので誤差が間違いなくあり)。

 ものすごく乱暴にざっくりあらすじを。フランスの田舎の下級貴族(父親ジェルモンの爵位が役に書かれていないということは「名士」程度なのだろう)の息子(アルフレード)がパリの夜の社交パーティで高級娼婦(ヴィオレッタ)に出会いのぼせ上がり、口説き落として一時はうまくいった(同棲までする)が、父親に知られ当然反対され、関係を解消しようとはしない息子に業を煮やした父親がヴィオレッタを欺きアルフレードを裏切らせて強引に別れさせる。裏切られた、と怒り狂ったアルフレードが、再び夜の社交界に復帰して(無論やむなく、なんだが)乱脈なパーティに出ているヴィオレッタに札束を叩きつけ侮辱するが、のちに実はそれが父親に仕組まれた破局であったことを知りヴィオレッタの元に駆け付けたときには既に彼女は結核に侵されており、見守られて死んでしまう。
 
 許されない仲の悲恋はオペラの定番なのだが、確かに貴族の息子と高級娼婦というのは極め付けだろう。同じようなシチュエーションで、ほぼ同時代の日本の歌舞伎・浄瑠璃だと心中物になり、オペラだと神に救いを求めて従容として女性が死んでゆく、というのがやはり宗教的バックボーンの違いだろう。まあ今のドラマなら逆に情けない男をやりこめて女性がたくましくシングルでたくましく生きていく、という話になるんだろうな。
 
 父親ジェルモンが死を迎えるヴィオレッタに対する自分の仕打ちを激しく後悔する場面があるが、これはヴィオレッタに対する憐憫というよりも彼女を欺いて死に追いやったという行為に対するうしろめたさなのだろうと思う。アルフレードに妹がいて、ヴィオレッタが身を引かないと彼女の縁談が壊れる(そうはっきりとは言わないが要するに「娼婦なんぞと一緒にいる身を持ち崩した輩と一族になれるか!」ということだ)という話をしてヴィオレッタに別れを迫ったのだが、そもそもこれが嘘なのだ。基本的に相手を同格の人間と認めていない(身分制とはそういうものだ)わけだから、どう死んでも関係ないわけだが、欺くという行為そのものは決して神に赦されるものではない。それに対する畏れ。

 貴族社会自体は王政とともに崩れた、といっても身分というか家格の違いというものが厳然として残り(現代だってあるわけだから)キリスト教のバックボーンが今以上に色濃く残っている時代背景。そのあたりを咀嚼しないと、古臭さは否めないストーリーではある。いっそ歴史劇である、という設定のほうが切り替えがしやすいかもしれない。

 まあ一番の違和感、というか微苦笑を誘われたのが、結核で瀕死のヒロインが第三幕出ずっぱりで最後まで見事なアリアを歌いあげたこと(笑)とても死にそうには見えなかったww「それを言っちゃあおしめぇよ」ではあるな(笑)


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Comment

○ーバード 

さすがかずくん、連日すごいです。
いや~、こちらも同じプラハから、しっかりしてました~
やはりチェコフィルと続いたからじゃないですか?
相当なクラシック好きでないと、大枚はたいて残業せずに連日はむずかしいかと。
この辺りが、富山の人口と経済力の限界でしょうか。^^;
  • posted by M 
  • URL 
  • 2015.10/29 21:41分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: ○ーバード 

>Mさん

 あ、どっちもチェコだわ、と後から思いました。夏ボでチケット買ったときにはさして意識しなかったんですがww

 オケの質は聴いた感じではチェコフィルのほうがよさげでしたが実際のところどうなんでしょ?まあオペラは歌がまずは主なのでそちらが優先ですけど。

 どうせチェコならヤナーチェクの「利口な女狐の物語」でもやってくれたほうが…オーバードの空席がさらに増えてしまうか(笑)

  • posted by かずくん 
  • URL 
  • 2015.11/01 21:08分 
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プロ野球独立リーグ・富山サンダーバーズ私設応援団トランペット吹き。クラシック音楽・コミック好きのライトヲタ。

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