極私的富山サンダーバーズ(他あれこれ)偏愛日記

私設応援団メンバーによる富山サンダーバーズファンブログ。他個人的な趣味の世界あり。

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11/23 びわ湖ホール アッシジの聖フランチェスコ

メシアン:歌劇「アッシジの聖フランチェスコ」全3幕8景(全曲日本初演)

 指揮:シルヴァン・カンブルラン
 管弦楽:読売日本交響楽団
 合唱:新国立劇場合唱団・びわ湖ホール声楽アンサンブル

 天使:エメーケ・バラート
 聖フランチェスコ:ヴァンサン・ル・テクシエ
 重い皮膚病を患う人:ペーター・ブロンダー   他

 1983年に小澤征爾さんの指揮でフランスで初演されたオペラの全曲日本初演。演奏者の規模も時間も破格の巨大なオペラなのでやむを得ないところなのか。なにせ正味の演奏時間だけで軽く4時間半(第1幕約75分・第2幕約二時間・第3幕約65分)に各幕間にそれぞれ35分の休憩(毎度トイレ大渋滞w)。13時開演で、カーテンコール2回で自分は離脱したが(富山までの帰りを考えて…)それでも18時半を軽く回ってた。ものすごく疲れたけど、長い、とは思わなかった。満たされた、充足した疲労感。

 先に東京での公演がありそのツイートでどなたかが書いていらしたけど、演奏会形式ということもあってかオペラというよりカンタータみたいな感じ。特にストーリーラインがあるわけではなく、聖フランチェスコと弟子との対話・起こした秘磧など
をエピソード(全8景)として描かれる。

 事前に予習もせず全くの初見で、しかもさしてメシアンにも、そもそもオペラ自体にも詳しくもない素人初心者聴衆なので断片的感想文を(それしか書きようがない)。

 圧巻はタイトルロール、聖フランチェスコ役のバリトンの方。ほぼ出ずっぱりで見事な歌唱。説得されてキリスト教信者になってしまいそうな位(笑)天使役のソプラノさん。ステージ後方上段(よくパイプオルガン奏者さんがいるようなポジション)での歌唱のせいもあってかまさに天使、天上からの声。重い皮膚病(映画「ベンハー」に出てくる「業病」のことなのか?)を患う人役のテノールさん、歌唱も演技も見事。自らにのし掛かる不幸に身悶えする心の震えがこちらにもいやというほど伝わる。歌唱陣は他の皆さんも含めて文句なし。

 オンドマルトノのような特殊楽器から大編成パーカッション部隊も入った超巨大なオケも素晴らしい。どうしてあそこまで複雑で豊穣な音の連なりがあれほどまで透き通って響くのだろう?中でも第6景「鳥たちへの説教」で鳥役?で大活躍のシロフォン等の鍵盤打楽器陣が凄かった。鳥の都合で?徹底的な変拍子大会が愉しい。第5景のでの天使の奏でる音楽の場面。最弱奏の弦セクションと合唱にのって、正面と左右3面の階上からオンドマルトノの摩訶不思議な音が(木製シンセサイザーみたいなもんなのだろうか?)降ってくる。こちらが天国に連れていかれそうな?美しさ・妖しさ。

 全てに圧倒的なこの曲の根底にあるのは無論作曲家自身の深いキリスト教への帰依・信仰心なんだろうけど、これほどまでの巨大な構造を持つ作品にまで昇華される信仰心というのはどれ程のものなのだろう?等と全く信仰心の欠片もない不信心者は途方にくれたりするのである。


 
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11/19 オーバードホール 桐朋アカデミー定期公演

桐朋アカデミー・オーケストラ 第55回定期演奏会

 指揮:沼尻竜典
 ヴァイオリン:ライナー・キュッヒル

 モーツァルト:交響曲第35番 ニ長調「ハフナー」K.385
 モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調「トルコ風」K.219
 シューマン:交響曲第2番 ハ長調 op.61

 元ウィーンフィルのコンマス、ライナー・キュッヒルさんをソリスト(トルコ風)ゲスト・コンマス(シューマン)に迎えての桐朋アカデミー今シーズン最終公演。

 ハフナー。こんなブログをちょこちょこ書いてるせいか、聴きながらこの演奏を一言で表現したら等とふと思うときがある。このハフナー聴いて浮かんだのが「生乾きの木で作った楽器みたいな」という(笑)音が全体に硬い。一体感のあるアンサンブルになっていない。昨日OEK で上質な39番聴いたせいかも、とは思ったが。今シーズンの締めがこれ?というのが正直な印象。

 ところが「トルコ風」が始まったとたんにオケの音がガラリと変わるから面白い。弦セクションの艶やかさが数段上がり全体のアンサンブルが滑らかに融け合う。音楽が生き生きと踊る。
 無論、キュッヒルさんのソロが素晴らしいのは言うまでもない、と言いたいところだけど残念なキズというか乱れもあった。残念ながら年齢的なところから来るものなのか今日の調子だったのか。でもその歌心は圧倒的だった。例えばメカニカルな意味では今年のOEK4月定期で聴いた木嶋真優さんの方がパーフェクトだった。でも(当たり前だと言われるかもしれないが)受けた感興の深みには大きな違いがある。それを「味」の一言で言うのは簡単だけど、何処から来るのだろう?聴くだけ素人として精一杯理屈付けるのならフレージング等の引き出しの多さが違う、ということなのか。
 アンコールにバッハの無伴奏の一節を演奏された。全曲演奏会聴けたら間違いなく泣くだろう。そんな演奏。

 シューマンの2番ってこれまで富山でどのくらい演奏されたことがあるのだろう?来日オケだともっとネームバリューのある(ありきたりな)曲で、アマチュアオケだと金管メンバーをステージに載せたいならもっと大編成の曲でとなろうし。
 自分のようにOEKの定期会員になってるとさほど珍しいレパートリーではないのだけれど、ひょっとして今日初めて生でシューマンの2番を聴いた方も結構多かったのではなかろうか?ならその方々に言いたい。こんな演奏が初めてで、なんと幸せなことでしょうと。コンサートでほとんど聴いて来なかったけど、こんなに生演奏でのシューマンの交響曲って素敵で愉しいんですよ、もっと他も聴きたくなったでしょう?と。
 トランペットとトロンボーンのトップ奏者にとって、目の前にシューマンがもしいたら首絞めてやりたくなるようないじめのような曲冒頭(トランペット1・2番とトロンボーン1番で弱奏オクターブユニゾンというw)が少々?不安定だったことを除けばもう全てが見事の一言。キュッヒルさんがコンマスに入った弦はまさにこれこそ桐朋が誇るアンサンブル。特に最難関(このせいでアマチュアは手を出したくないだろう)第2楽章の快速疾走感も素晴らしい。フィナーレでは正直半分泣きそうだった。どこをとっても誉め言葉しか出てこない。これだけのシューマンが聴けるとは思ってなかった、というか想像を遥かに越える出来。富山にある(アマチュアも含めて)全てのオケで最も上手いのは桐朋だ!と胸を張って言える演奏だった。

 これでもう今シーズンの桐朋アカデミーオケは終了。今日のような出来のばらつきをどのくらいなくせるか?が来シーズン以降の課題だろう。プロオケならこれはいいけどあっちはまあ、というのは許されない。学生さんが皆さんオーディションでのプロオケ入団を(基本的に)目指しているのなら、そういうより厳しい視点も必要だと思う。
 
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11/18 石川県立音楽堂 アンサンブル金沢 第395回定期公演

オーケストラ・アンサンブル金沢 第395回定期公演

 指揮:ミヒャエル・ザンテルリンク
 ピアノ:ソフィー・マユコ・フェッター
 ゲスト・コンサートマスター:町田琴和

 メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」作品26
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第18番 変ロ長調K.456
 ヨスト:ゴースト・ソング(2017) (日本初演)
 モーツァルト:交響曲第39番 変ホ長調 K.543

 私見だけれど、OEK の指揮台に立つといわゆるチェンバー・オーケストラ的な(場合によってピリオドな)音を求めるか、シンフォニー・オーケストラ的な音を求めるかに分かれる。で、通常まず前者なのだがたまに後者がいる。井上マエストロは回数も多いので使い分けるんだけど後者を選んだときに今一つしっくりこないときもある(以前ブラームスの2番やった時とか)。
 今日は客演では珍しい後者で、とてもいい成果を聴かせてくれたと思う。例えば弦セクションはかなりたっぷりと弓を使って鳴らしてた印象。

 モーツァルトの39番を、というかOEK でモーツァルトをこういう音で聴けるのはなかなかないだろう。深くて奥行きのあるみっしりと詰まった音で、でも特に印象に残ったのは「引く」音。鳴らした音でグッと押した後フッと息を抜くように引く音の快感。まさに絶妙のフレージングの機敏。
 後半最初の現代曲も愉しい曲だった。現代作曲家の作品というと音楽というよりは音響学の実験みたいな曲(「ミュージック・トゥモロー」みたいな)ばっかり聴かされることが多いのでつい身構えて聴き始めたら思いの外聴きやすかった。

 前半のピアノ協奏曲は、端正だけど、どこか不思議な感覚。まあ耳のせいかも知れないけど、所々ピアノがゆらっと揺らぐ、ずれる。極端に言うとジャズピアノの揺らしみたいに。もちろん大きな崩しをしてる訳じゃないんだけど(と一方的にそう聴こえたと思っただけかも知れないけど)。
 アンコールは珍しく左手だけの作品(以前OEK では舘野泉さんを聴いたが)。素敵に鮮やかでドラマティックな曲で、帰りに見たらスクリャービンだったらしい。モーツァルトではちょっと本人消化不良だったかな?


声のチカラ。

 昨日の富山マラソンに、会社から同僚が1人とついでに社長が(笑)出てたので、社員有志数人で沿道でのサプライズ応援に行ってきた(会社からコース最寄りまで徒歩5分くらいだし)。同僚は3回目、社長は今回が初マラソン。同僚の方は前々回と前回4時間をいくらか切った辺りのタイムで、社長の自己申告は6時間くらい(ハーフマラソンを走ったところからの目安らしい)。

 約32キロ辺りになる応援ポイントについたら直に3時間のペースメーカー(ゴール時点での目標タイム設定)とついて走ってる集団が通過。順調に走ってる人やら既に足取り重そうに走ってる人やら(後から思えばそのくらいの状態はまだまだマシな方だったようだが)やり過ごすうち3時間半のペースメーカーが通過、目標タイムからしたらそろそろかな、と思ってたら同僚が見えた。思わず「○○(同僚の名)!」と叫んだら向こうも気付いたらしく僕らに駆け寄ってハイタッチして元気に駆け抜けていった(わざわざ僕らに近付くために少し曲がり角を大回りして42.195キロよりも少し余計に走らせてしまった。申し訳ないことであった)。

 結果3時間42分ほどで完走。本人的にまずまずのタイムだったらしい。今朝会社で「ありがとうございました!お陰で勇気付けられてゴールまでもう一踏ん張りできました!」と。まあ愛想だろうなと思ってたらどうやらそうでもなかったようで。
 新湊大橋を渡りきった後直線道路をひたすら走ってそれを折り返し、曲がったら田んぼの真ん中の直線をまたひたすら走る30キロ付近というかなり心が折れそうなコースだった(そんな距離の稼ぎかたをせざるを得なかったのは偏に富山市に難癖をつけられて呉羽山→大学前を通れなくなったからだ)。雨も降り続いてけっこうめげてたところに僕らがいたので随分嬉しかったらしい。

 翻って。球場で僕らは声を出して選手を応援する。叱咤激励だったりヤジだったり、僕らだと場合によっては応援団としてのコールだったり。まあどうせそんなもん選手は聞いてないだろうと思って好きなことコールしてたらどうやらしっかり聞こえてるらしい(滋賀ビジターで長尾が打席に入った時に「こないだ誰も見てない(平日デーゲーム)県営富山でホームラン打った長尾くん」って言ったら気にしてたらしい。申し訳ないことであった)。
 正直、スタンドから聞くに耐えないヤジを聞くことがある。僕も口の悪いことでは人のことは決して言えないのだけれど。そりゃいつも理想通り思う通りのプレーを選手がするわけではないし、一言言ってやりたくなる気持ちはよくわかる。けれども、感情に任せてその一言を口にする前に、ほんの一瞬でいいから考えよう。その一言は、選手のためになる一言か?叱咤激励を越えた「罵り」になっていないか?
 「言いやがったな、よし見てろよ!」位で済めばいいんだけどそれを通り越して不機嫌になったり集中力を欠いたりするようなら、そういうのをまさに「贔屓のひきたおし」という。僕らの声のチカラを、選手のプレーのチカラに変える、それが本筋であると思うのだけれど。
 そしてそれは、味方の選手に限らない。相手の選手やベンチ、ましてや審判を口汚く罵る声が周囲からどう聞こえるか。相手選手を動揺させたり不愉快にさせたりしてチカラを削いで勝とう、なんてのはNPB に任せておけばいい(何せ「くたばれ○○」なんて応援歌がまかるとおる世界だ)。BCL はそうあってはいけない、と思う。

 今日、引退選手が発表された。彼らが、まあたまには厳しいことも言われたけど、富山でチカラをもらってプレーを全うできた、そう思ってくれてたらいいのだけれど。


 

10/20 オーバードホール 桐朋アカデミー演奏会

桐朋アカデミー・オーケストラ 協奏曲の夕べ
 
 指揮:円光寺雅彦

 サン・サーンス:ピアノ協奏曲第5番 ヘ長調「エジプト風」(ピアノ:渋谷明歩)
 バルトーク:ピアノ協奏曲第3番 (ピアノ:高木真実子)
 ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調から第一楽章(ピアノ:佐々木有紀)
 プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 ト短調(ピアノ:小坂絋未)

 秋シーズン恒例の桐朋の院生オーディションソリストでの協奏曲コンサート。プログラム最初に見たとき「おーすっごいヘビー級プロ!」と高まったが、今日改めて見たらブラームスは第一楽章のみ。このコンサートは基本全曲(春の学内コンサートは一曲を複数ソロで分担したり変則的)だったわけだけれど、ちょっと残念。もっともブラームス全曲やったらかなり時間が遅くなるわけだが。

 サン・サーンス。まずまずではあったけどタッチがやや重い。サン・サーンスはもっとふわりと軽いタッチの音が欲しい。数年前同じく桐朋で聴いたピアニストの子のまさに「フェザータッチ」と言いたくなるエジプト風には及ばなかった。

 バルトーク。最初のフレーズの入りから「おっ」と声を出したくなるくらい持っていかれた。まさにバルトークにふさわしい乾いた明晰なタッチ。もう少し強靭さがあれば申し分なかったけれども、第二楽章の静謐なコラールから狂騒のフィナーレまで見事に弾き切った。

 ブラームス。ここまででは最も総合力の高いピアニストさん。スケール感のある堂々のブラームス。なんで全曲でないの?と恨めしいくらい。オケを従えて、までの押しの強さは幾分不足してたが。

 プロコフィエフ。文句なし今日イチ。今日の4人の中では頭一つ抜けてた。初期のプロコフィエフのモダニズム全開の難曲を完全に掌の中に入れて音楽をドライブする。第一楽章とフィナーレにそれぞれ長大なカデンツァがあるのだが、共に圧倒的。からの、熱狂のコーダ。ブラヴォー。

 個人的な好みもあって、バルトークとプロコフィエフが特に楽しかったんだけど、オケがもう少し先鋭な、エッヂの効いた演奏が欲しかった気もした。まあこれは指揮者の問題か。

 さて来月はもう今シーズン最後の定期。メインはシューマンの2番。実はなかなかの難曲だと思うのだけれど、どう聴かせてくれるか。

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プロ野球独立リーグ・富山サンダーバーズ私設応援団トランペット吹き。クラシック音楽・コミック好きのライトヲタ。

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